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親として知っておきたい!家庭内ダブルバインドの影響と改善方法

 

こんにちは。保育士セラピストまやです。

 

SNSを見ていると、「子育てママに必須アイテム」「この知育教材がおすすめ」「外出先で注意すること」などなどたくさんの情報を得ることができます。子どもとの毎日を快適に過ごすためには大事なことなのですが、親の主観になってることも多いと感じます。

 

子どもの側、特に「心」という見えない部分への意識も大事ですよね。だけど、「見えないから」「今は困ってないから」と、そのままになりがち。

 

今をプラスにすることと、今をマイナスにしないことの両方に目を向けることが大事です。

 

「今をマイナスにしない」とは、現時点で持っているものを守るということ。これから起こりうる悪いことを未然に防ぐ【予防】でもあります。

 

日々成長する子どもの内面はあとから修正がききにくいことも多くあります。

この記事では、今をマイナスにしない心がけの一つ「ダブルバインド」について、4児を子育て中の私、保育士セラピストまやがご紹介します。

 

 ダブルバインドを初めて聞くという人にもわかりやすく解説。ふだんの日常会話。どこにどんな問題が隠れているのでしょう?

 

 

 

もくじ

 

  1. ダブルバインドって何?
  2. ダブルバインドが与える悪影響
  3. わが家のダブルバインド例
  4. ダブルバインドをしない親になるために

 

 

 

 

1.ダブルバインドって何?

 

日本語で “二重拘束” の意味を持つ『ダブルバインド』とは、1956年に米国の文化人類学者・精神医学研究者のグレゴリー・ベイトソン氏によって生み出された造語。同時に送られるふたつの矛盾したメッセージの間で板挟みになってしまった相手が、最終的には従わざるをえなくなることで、ストレスを溜め込むコミュニケーションパターンを指します。

 

例えば、

 

 

 

親「今日どこへ行きたい?好きなところへ連れていってあげるよ」

子「じゃあ公園!」

親「やっぱり買い物があるからショッピングモールにしよう」

 

 

親が「自分の意見を持ちなさい」と言いつつ、子供の意見を否定する。このような状況では、子どもは「どちらを選んでも不正解」の板挟み状態になり、心理的なストレスを感じやすくなります。

 

 

(勉強や習い事がイヤに感じている時に)

親「ここで頑張らないなら、やめてしまいなさい」

 

 

これは一見、子どもに決定権をゆだねているように見えますが、多くの場合やめる選択は許されず、それを感じ取った子どもは頑張って取り組むことになります。

 

ダブルバインドは子育てに限らず、職場でも恋愛でも夫婦間でも起きる心のモンダイ。子育てにおいては、家庭内のコミュニケーションや親子関係に深刻な影響を与え、私たち親にも将来的に悪影響を及ぼすかもしれません。

 

 

 

2.ダブルバインドが与える悪影響

 

ダブルバインドが与える影響は大きく枝分かれしていきます。特に心の健康に深刻な影響を及ぼすことが多いです。ダブルバインドにさらされると、特に子供は常に矛盾するメッセージの狭間で揺れ動き、どの行動をとっても批判される可能性があるため、強い不安やストレスを感じます。

 

このような状況が続くと、こんなことが起こりやすくなります。

 

 

●自己表現の困難さ

自分の存在をわかってもらうのが難しくなる。「こんなに頑張ってるのに誰もわかってくれない」と社会的な孤立感を感じやすくなる。

 

●自己肯定感の低下

自分の価値や能力に自信がなくなり、再スタートしたくてもできず、同じ問題で苦しみ続けることが増える

 

●他者と信頼関係を結びにくい

ささいなことでも「相手が怒っていると感じる」「自分が悪く言われている気がする」など人間関係に対する恐怖や不信感が増える。

 

●長期的に心を病む

うつ病や不安障害の発症リスクを高める。過度なストレスが免疫力の低下や消化器系の問題を引き起こす。

 

●脳の発達を妨げる

成長や学習にも悪影響を及ぼし、学業成績の低下や集中力の欠如、さらには学習障害のリスクも増大。

 

●他人のせいにする

 親の顔色を常に伺い、その習慣がやがて「失敗したのは自分の判断じゃない」と他人のせいにする思考グセにつながる

 

 

 

これらは一例ですが、ダブルバインドがもたらす影響はとても深刻です。

 

私たち親は「こうなるかもしれない」という悪いイメージも持ち合わせながら、子どもと関わったほうがいいのではないでしょうか。

 

3.わが家のダブルバインド例

 

家庭内でもダブルバインドはよく起こります。親が子供に矛盾するメッセージを送ってしまっている状況ですね。

 

わが家も例外ではありません。

 

先日私の子どもがメガネをかけることになりました。治療用のメガネなので、いいお値段です。メガネをつけた初日、子どもは慣れないのですぐ外してしまいました。そこでお父さんが一言。「大事にしないなら、もう買わないよ」

 

…ダメを伝えたい気持ちはわかるんだけどね。でもそれ、脅していう事を聞かせようとするダブルバインドです!子どもにしてみれば、「慣れないメガネをかけなければならない/もう買ってもらえない」二重の拘束を受け、苦しい気持ちになります。

 

 

 

 

続いて私もやってしまいます。

 

参加自由の地域の子どもの集まり会。「0歳児つれていくのは大変だし」と、できれば行きたくない私は(本来は積極的に参加したいタイプ)、

 

「お母さんはあんまり行きたくないけど、参加する?」

 

…自分の意見を言っても否定される。幼い子たちは親の意見に従わなければ生きていけないことを本能的に感じています。親の意図を汲み取った行動は、一見おりこうさんに見えますが、本心でないとすれば、「結局、親の思い通りに物事が進むのだ」と考えてしまいます。

 

一度や二度なら問題ないかもしれません。しかし続いてしまうと「結局、親の思い通りに物事が進むのだ=自分で考えても無意味」と自分で考えることをやめてしまいます。

 

 

4.ダブルバインドをしない親になるために

 

ダブルバインドを避けるために、私たち親ができることは何でしょうか?2つあげてみます。

 

●明確なルール

子どもが分かり易いことばで伝えるためには、まず明確なルールを決めることが大切です。言葉を省略しないよう心がけ、具体的で簡単な表現を使いましょう。例えば、「部屋を片付けなさい」と言う代わりに、「おもちゃを箱にしまってください」と言えば、子どもは何をすべきか理解しやすくなります。

 

 

 NG例

「テレビを見ていいよ」

 

 

OK例

「長い針が6になったら、おしまいね」

「このお話が終わるまでにしようね」

 

 

●意見を言いやすくする

子どもが意見を素直に言いやすい雰囲気を作るためには、まずは受け入れる姿勢が大切です。自分が期待した答えでなくても、子どもの思いに共感しましょう。さらに、子どもがどんな選択をしても受け入れられる条件を設けることで、安心して自分の意見を述べられる環境が整います。こうして信頼関係を築きます。

 

 

 

 NG例

「まだ帰りたくない!」

 

 

 

OK例

「まだ遊びたいんだね、わかったよ。あと3回にする?それとも10回にする?」

「まだやりたいんだね。おうちに帰ってから続きをしようか」

 

 

 

親が自分のコミュニケーションパターンを認識すること、場合によっては改善も必要です。

 

でも親が疲れていたり慢性的なストレスがあると、なかなか難しいもの。わかっていてもできない時があることは私もよくわかります。

 

そんな時は、私たち親がストレスを感じること自体が、我が子を守っていることを思い出してくださいね。親が体と心をはって、今この瞬間を生きていることは子育てそのもの!

 

たまにはリンパマッサージなどのリラクゼーション方法を取り入れながら、親自身の心身のバランスを整え、子供に対してより落ち着いた対応を目指していきましょう。親子で一緒にリラックスする時間を持つことも、健全な家庭環境を築くための一助となりますよ。

 

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました^^